トレーナーのはなし
僕がはじめて読んだファッション雑誌はメンズノンノで、なぜだか母親が自分の為に買って来たものだった。たしか表紙は風間トオルで青い文字のロゴがとてもトレンディーで、まだ行ったことのない東京に憧れまくった。それからその号を何度も読み返し、それから新しい号が出るたびに嗅いだ雑誌特有のインクの匂いが今も妙に印象に残っている。まだ小学生高学年だった僕の小遣いではDCブランドの服が手に入れられる訳もなく、またブテッィクに入店する勇気もなく、ただメンズノンノを毎号隅から隅まで眺めて過ごした。
ようやく念願かなって、手に入れたのは中学1年の冬でメンズビギのトレーナーだった。浅めのネイビーブルー地にバイクの絵とメンズビギのロゴがばっちりはいっている。お年玉で買ったバーゲン品だったけど、店員さんには緊張したけど、身につけると自分が最強になれた気がして友達に自慢しまくったのを覚えている。その頃、大人はいつでも、どんな場所でも、シャツの襟を立て、プレスのきいたパンツを履き、ジャケットを羽織るものだと信じていた。トレーナーは大学生や若さの代表だった。多分雑誌の影響と僕の勝手な思い込みだったのだと思う。
30歳を過ぎた今、今日も僕はプルパーカーにブルージーンズでお店にたっている。昨日は丸首のスウェットシャツにチノパンだった。きっと10年たってもトレーナーを着ているだろうし、今よりも着こなしも上手になっているはずだ。あの頃の自分に会えたら僕をみて憧れてくれるだろうか?微妙なところかもな。
sunshine+cloud
2005年02月26日

