ものもらい

小学生の頃、僕はよく“ものもらい”になっていた。
目のあたりがなんだかごろごろして、ごしごし擦っているうちに大きくなる。
擦るのはよくないと叱られても、痒いものは痒い (そのへんの我慢のなさは今も変わっていない)。だからどんどん大きくなる。
そうなると僕はきまってチラシの裏に、大きく『ものもらい大売り出し!!』と書いて町内の電信柱や壁に貼って回った。
こうしておくと誰かチラシを見た人に伝染り、自分のものもらいは治る。仲良しの家の前はいちおう避けて、町内をまわった。
僕はお店をはじめる時、人通りの多い駅表ではなく、自分が生まれて、育った地味な商店街を選んだ。思い出や思い入れがある場所こそ、取り扱うシャツやオーロラシューズにぴったり感じたし、自分のスタート地点にも相応しいと思った。なにより“ものもらい”は沢山売った実績があるしね。
最近、目のあたりがムズムズして、ふとこの話を思い出し、お店の壁に『大売り出し!!』と書いて貼っておくか、とも考えたけれど、お客さんに迷惑掛かるのもしのびないので、やめておいた。

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不思議とすぐ治る 

2005年06月18日