国境の南、太陽の西 村上春樹

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鮮明な記憶は眠れない夜を作り出した。夜中の二時や三時という時間に目を覚まして、そのまま眠れなくなることがあった。そんなときには僕はベットを出て台所に行き、グラスにウイスキーを注いで飲んだ。窓の外には暗い墓地と、その下の道路を走り過ぎていく車のヘッドライトが見えた。グラスを手に僕はそんな風景をずっと眺めていた。真夜中と夜明けを結ぶそれらの時間は、暗く長かった。(本文より抜粋)

2009年01月04日