恋 小池真理子

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信太郎の後ろに立っていた私は、彼の耳の脇に、乾きかけた血玉が赤黒く凝固しているのを見つけた。ガラス片か何かで切ったらしかった。
 ふいに悲しみがこみあげてきた。私は信太郎の腰に後ろからすがりつき、彼の背中に顔を押しつけて嗚咽をこらえた。(本文より抜粋)

2009年01月29日